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海上コンテナとは【20フィートコンテナ】

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2022.05.06

 

港をカラフルに彩るコンテナを利⽤する機会はあっても、なかなか実物を間近に⾒る機会は少ないのではないでしょうか。

今回は中国・東南アジア航路でおなじみのSITC の営業窓口を担う船舶代理店室と横浜港・本牧C-3 上屋の協⼒を得て、ご利⽤いただいている20 フィートドライコンテナをじっくりと観察してみました。

コンテナの歴史と現状

コンテナの歴史は古く、1920 年代には欧米で、1930 年代には⽇本でも使⽤されていた記録があります。規格化された鉄の容器で物流を合理化する、その考えはかなり以前から存在していましたが、国内での鉄道やトラックでの輸送といった分野に限られ、海上輸送に拡大するのは、1956 年にマルコム・マクレーンがアメリカ・ニューアークからヒューストンまで輸送したことが起源となります。

従来は荷役作業に多くの時間を要しスケジュールが読みにくい、水濡れやダメージなどが発生しやすいなど、多くの実務的な問題を抱えていました。それらを一気に解決し、梱包や作業に関わるコストを大幅に低減できるという優位性から、海上コンテナ輸送は世界各地へ普及しました。特に太平洋航路が開設された1960~70年代は日本からの製品輸出が台頭し、高度経済成長の一翼を担った点も見逃せません。

一口に海上コンテナといっても、様々な種類のコンテナが各地で運用されています。今回のテーマであるドライコンテナに限っても、20f / 40f / 40fハイキューブ / 45f / 48f / 53fの6種類が存在します。 このうち日本で運用されているコンテナは3種類、20f /40f/40fハイキューブとなります。(一部実証実験や特定地域等で45fが運用された実績はございます)これは日本の関連法規の制約上、上記3種類に限られるといった事情によるものです。

 

20フィートドライコンテナをじっくり見てみよう

SITC社で運用されている20fドライコンテナになります。カンパニーカラーのスカイブルーではなく、茶色に塗られています。こちらは、BEACON社からリースを受けているコンテナであり、外観にも同社の表示、またコンテナナンバーも同社のBMOUが表記されています。

これはコンテナが不足した際等にリース会社から船会社にレンタルされているコンテナで、船会社の初期投資抑制や需給バランスに応じた在庫調整に寄与する側面があります。

■コンテナにかかれている表記の意味は?

コンテナのドア面には様々な情報が記されており、この情報を見れば、そのコンテナがどのようなサイズや構造を持ち、どのくらいの荷物を積み込むことができるのか?を確認することができます。

 

20fコンテナの内部はどうなっているのか見てみよう

海上コンテナは1967年に制定されたISO668で定められた規格・寸法に従い、世界各国で共通した運用が可能となっています。しかし実際には、製造メーカーやロットの違いにより、内部の細かな寸法や仕様、構造が若干異なる場合があります。今回はコンテナの内部の寸法を実際に計測してみました。ご案内する寸法は、一例としてご参考ください。

コンテナ内部の幅は232cm、長さは588cmでした。(ドアを閉めて計測した数字です)標準的な110cm×110cmのパレットが幅方向に2枚、長さ方向には5枚、合計10枚並べることができます。 幅方向、長さ方向はこの数字が内寸になりますが、フォークリフトでの積載作業、前述のコンテナ個体差があるため、この数値から多少の余裕を差し引いた積載プランを考慮する必要があります。特に梱包の仕上がりで1梱包当たり数センチの誤差であっても、複数個が積載されると、計算上は入るのに実際には入らないといった事態が起きる可能性もあるので、注意が必要です。

 

※コンテナ積載イメージ図

コンテナ内の高さを測定してみると、237cmありました。しかしドア口と一番奥の部分は一部低くなっており、他より約10cm低い227cmとなりますので、背高の貨物を積載する際には、ドア口の寸法を前提に検討する必要があります。

 

 

 

 

 

コンテナの床面と天井部分にはU字のフックが付いています。このフックにベルトを通したり(ラッシング)、木材を当てて固定するなど(ショアリング)、航海中の揺れによるコンテナ内で貨物が動くことを防止するための重要な部材です。今回のコンテナには両側面上下合わせて32個のフックが付いていましたが、これもコンテナの個体差により数が若干異なる場合があります。

 

 

 

 

 

限られたスペースをどう有効に使い、どのように貨物を積載すればよいのか?ということに頭を悩ますことも多いと思います。梱包資材やラッシング・ショアリングの方法などでもその効率は大きく変わることがございます。最近ダメージが多い、また以前からこの積載方法を取っているけど、もっと効率的な手法はないか?といったお悩みは、弊社スタッフにぜひご相談下さい。

お客様のニーズに寄り添ったアドバイスを行う営業部隊と、安全に輸送を行うべく、様々な貨物の取り扱いノウハウを持った作業部隊がタッグを組み、最適な輸送を提案いたします。

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