フォワーダーとは?
輸送手段を自社では持っておらず、船舶・航空機・トラック・鉄道等を利用し、荷主と直接契約をして貨物輸送を行う事業者を指します。
その原点といわれる話はいくつかございますが、欧州大陸で複雑に入り組んだ国境や河川・運河を用いた水運では長距離輸送がむずかしく、いつしかそうした輸送環境をまとめる業者が現れ、困難だった長距離輸送を実現したという説が有力なようです。
従来のフォワーダー業務は、運送取次や航空の代理店、海運の仲介業といった側面が大きかったのですが、今ではそうした中継的な機能にとどまらず、海外へ貨物を送る際に国際物流の手配を行う業者であり、物流全般をコーディネートするサービスを提供するまでに進化しています。
乙仲とは違うの?
当社内でも時折使われる乙仲ということばですが、物流に携わる方なら耳にしたことが一度くらいはあるかもしれません。
乙仲とは、海運貨物の取り扱いをしていた業者の俗称で、慣習的な呼び方です。それではなぜ慣習的な呼び名と呼ばれるのか、それは乙仲というのが1939年(昭和14年)~1947年(昭和22年)の間有効だった海運組合法の規定によるものだからです。
この頃、海の仕事を行う海運仲買人を甲・乙の2種類に分類していました。
(甲種):不定期船いわゆるチャーター船の傭船契約を行う業者
(乙種):タイムスケジュールに則り運航手配される定期船の海運貨物取扱業者
この頃に、乙種海運仲買人と呼ばれていたことばが残り、乙仲と呼ばれることがあります。
この他、丙仲と呼ばれる通関手配を行わない代行業者といった立場の業種も存在し、これについても未だに耳にすることがありますが、現在ではなくなってしまった規定であることや海運貨物の取扱業者であることから、総じてフォワーダーと呼ぶことが一般的になりました。
国際物流にはトラブルがつきもの!
※図解:国際物流の流れ
コロナによる巣ごもり需要から越境ECが増え、港湾混雑による本船遅延、コンテナ不足と物流混乱期のため、トラブルについても容易に想像が難しくないかと思います。
物流にまつわるこれらのトラブルを可能な限り回避・調整を行い、お客様のスケジュールに合わせて貨物をお届けするのがフォワーダーの役割です。
国際物流にもDX化の波が到来! デジタルフォワーディングへの挑戦
国際物流といえば、たくさんの業種の方が複雑に絡み合いそれに伴っていろいろな種類の書類のやり取りが発生します。今まではブラックボックスともいえる状態で、書類や貨物の動きを荷主がリアルタイムにチェックすることには困難が伴いましたが、物流業界にもDX化の波が確実に到来しつつあります。
ところで皆さんは旅行に行くときなどに、オンライントラベルエージェントを利用された経験をお持ちではないでしょうか。どの航空会社が安いのか、どのホテルを組み合わせるといいのか、オンラインで瞬時にわかるその仕組みを国際物流に取り入れる試みがデジタルフォワーディングです。
当社でも、2021年7月末よりForward ONEというサービスを立ち上げております。オンラインサイトを通じて、「見積」「発注」「作業進捗」を一元管理でき、複雑な国際物流管理を可視化することでシンプルなフォワーディング業務を提供しており、2023年3月27日より現在のForward ONEをお客様にとってより使いやすいものとなるよう再開発した自社版Forward ONEのサービスを開始いたしました。アカウント登録で物流に関する情報を適宜お届けするなどお客様の物流の最適をサポートしております。サービス利用料は無料ですので、ぜひご利用くださいませ。
■デジタルフォワーディングサービス「Forward ONE」の開発予定ロードマップ