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食品工場の設備もお任せ!日新の国際設備輸送

工場の海外移転や新設には欠かせないプラント・設備輸送。
日新では専門チームを有し、国内外の輸送はもちろん、梱包や通関、法規制に関わるサポートまで、一貫でのご手配が可能です。

工場設備の中でも、ひときわ慎重な取扱いが必要となる食品メーカー様向け設備機械の国際複合一貫輸送(品物の車上受けから梱包、海上輸送、通関、現地側手配など多岐にわたる内容)を元に設備輸送の流れやポイントをご紹介いたします。

本プロジェクトは、日新の担当者が司令塔となり、食品メーカー様、設備メーカー様、関係省庁と連携し、倉庫をはじめ、梱包・港運・通関・船舶手配、現地据え付けに至るまでオール日新で行ったものになります。

設備機械輸送に求められること

今回の設備機械輸送についてお客様から求められることとして、2点挙げられます。

1点目は「納期遵守」です。
お客様の生産計画に合わせたスケジュールを考えながら、輸送スケジュールを組み、手配をしていくことが必要となります。単に運ぶという作業だけではなく、日本側・現地側での通関や国内輸送に関連した法規制をクリアにし、また多くの品物を効率的に梱包、一時保管場所の確保といった下準備が必要です。今回のプロジェクトは、そうした打ち合わせから作業開始までに約半年の時間を要しました。

2点目は「安全性の確保」です。
輸送上の安全を確保するのはもちろんのこと、特に食品を生産する設備では、わずかな傷や不具合が生産品の品質に直結こともあるため、より繊細な取り扱いが求められます。

納期遵守に向けて

今回の事例では、輸送対象となった品物は大型のものが多く、フラットラックといった特殊コンテナでも輸送ができないサイズで、また物量も多く一度にコンテナ船のスペースを確保するのは難しいため、当社担当部門の港運部を通じて在来船を傭船(チャーター)して輸送を行うこととなりました。

コロナ禍の影響により日本から中国に向かう本船が少なく、輸送条件やスケジュールの合致する本船を確保するのに大変苦労しましたが、日本・中国双方での情報や運行船社との信頼関係もあり、確保することができました。

また、向け地である中国では、新型コロナウィルスの影響による港制限や本船の滞留など諸問題がありました。入港地の選定では、中国の全国通関一体化により、申告場所の制限はありませんでしたが、税関検査等で検査立ち合いが必要になった場合に、新型コロナウィルスの影響で市や省をまたぐ移動の制限が輸送検討当時も発生していたため、リスクを最小限に留めることが可能な港を選定しました。また、本船の滞留期間は当初14日間と見込んでいましたが、実際には着岸するまでに19日を要しました。

これらの問題は、予め余裕を持った輸送スケジュールを立てたことや複数回にわたる中国側の交渉で、なんとか解決することができました。最終的に滞船期間は若干伸びましたが、現地工場へお届けし据付を行うまで期間内で終えることができ、無事お客様から求められていた納期を守ることができました。

安全性の確保に向けて

設備機械輸送では品物が大型のため、梱包にも配慮が必要となります。

当社担当者は、設備機械の図面を確認して、荷受け・梱包を行う梱包業者と打ち合わせ、複数回現場に足を運び現物の視察を行いました。例えば、背が高い機械は寝かした状態で荷受け・輸送を行うため、事前に下見をして、輸送に適した梱包資材を準備しておく必要があります。

専用アタッチを装着した31tフォーク

また梱包工場への搬入時には、設備メーカー様立ち会いのもと、傷やダメージの有無の確認を行いました。通常より強度を増した設計を行い、フォークリフトでの持ち上げ時やクレーンでの吊り上げ時に梱包木材の撓り(しなり)や歪みを加味した梱包仕様を施しました。作業を担当した当社横浜重量物梱包センターには定格80トンの大型天井クレーンをはじめ、31トンフォークリフト等の特殊機材が多く設置されており、今回のプロジェクトに際しては特殊なアタッチメント(長い爪)を装備したフォークリフトが活躍しました。

今回傭船された船は、同センターに隣接する本牧A埠頭に着岸、その場で荷役を行ったため、通常ならば梱包された貨物を横持する必要がありますが、目の前が岸壁といった立地を最大限に活かし、より安全かつ効率的に貨物を本船に積み込むことが可能となりました。当社担当者は、本プロジェクトの司令塔として、輸送に必要な情報を関係者に漏れがないように伝え、注意点の周知徹底を行いました。

日新設備輸送の強み

専門の部門を設置

当社では、国際複合一貫輸送を手掛けるために必要な部門、ノウハウがあります。
一貫輸送を当社にご依頼いただくことにより、輸送はもちろんのこと、輸出入でハードルとなる通関や法令対応についてもお手伝いすることが可能です。

今回のプロジェクトにおいては、輸出貿易管理令に関するアドバイスやサポートも行いました。

本プロジェクトでの当社専門部店の関わり

重量物の梱包に適した施設

本プロジェクトにおいても大活躍した重量物の梱包を得意とした施設「横浜重量物梱包センター」当社は有しております。
定格荷重 80 トンまで作業対応可能な天井クレーンを導入し、従来よりも大型重量貨物の輸出梱包・荷役作業が可能となる他、奥行き 25m x 全幅 96m の大庇により雨天時でも荷役作業が可能です。

設備の大きさは様々ですが、大型機械になると設備を製作する工場においても完成品の保管場所がネックになります。とりわけ海外工場の新設ともなると設備機械の数も増大となりますので、設備完成のタイミングで、移送を行い、重量物の梱包・船積みまでの一時的な保管ができる施設が必要になるのではないでしょうか。

本プロジェクトにおいても、たくさんの設備機械がございましたので製造工場にて設備機械の完成に合わせて、当センターへ輸送・梱包行い製造工場様の保管スペース確保にも貢献いたしました。

傭船への積込みのために並べられた設備機械

 

24カ国、156拠点のグローバルネットワーク

24カ国、156拠点に広がる日新のグローバルネットワークを利用し、現地サイドの対応も柔軟に行います。

担当者が現地へ赴いてスーパーバイザーとしての業務を行うことはもちろん、現地担当者も豊富な知識と経験を有しております。

本プロジェクトでは、新型コロナウィルスの影響で当社担当者は現地での立ち合いは困難でしたが、お客様の設備について熟知した駐在員のサポートよりスムーズな輸送でお客様の元へ品物をお届けすることができました。また今回のケースでは、防疫措置により現地市をまたぐ移動時には2週間の隔離措置が必要となっておりましたが、各所の密な情報連携もあり、大きな障害とはならずに輸送を完結いたしました。

今回のような食品工場向け設備輸送の他に、当社では工作機械や生産設備、金型などの重量品・大型品輸送も多数手がけております。お客様の品物に適した輸送の手配はもちろんのこと、品物の特性に合った梱包や通関など物流に関する様々なサービスをご提案いたします。

▼横浜重量物梱包センターにて行われた実際の作業の様子▼