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食の安全を守り、繊細な風味までお届けする ~チョコレート輸送~

おいしさと、輸入申告の分類に、通関士も思わずうなる!チョコレートの輸入

近年では海外の有名ショコラトリーが日本でもお店を展開しており、いつでも食べられる!という印象も多いですが「バレンタインフェア」では普段みたことのないような色とりどりのチョコレートを見かけます。
このフェア向けチョコレートをテーマに、どんな流れで海外から日本への届くのか…皆さんを魅了してやまないチョコレートの輸入についてご紹介いたします。

本場ヨーロッパのショコラトリーから

当社は、食品商社や日本での販売元(輸入者)からのご依頼を受け、チョコレートの本場であるヨーロッパから海上・航空輸送で商品を通年に渡ってお運びしております。
輸入者のバイヤーは舌の肥えた日本の消費者に受け入れられる品を求めて、ベルギー、フランス、スペインなどのショコラトリー(製造元)を訪問し、ショコラティエと直接販売交渉されることもあるそうです。

物流業者である当社は、製造元と輸入者の売買契約がなされた後、輸入者とコミニケーションを取りながら日本への輸送計画に着手いたします。

製造元はいわゆる職人さんとなるため、本業のチョコレートづくりに集中されていることが多く、工場から商品の引取りを行う貿易条件が一般的となっております。

 

 

自社ネットワークによるシームレスな対応

当社は、チョコレートの仕出地となるヨーロッパ諸国に現地法人を構えておりますので、現地工場から日本の輸入者に商品をお渡しするまで一貫輸送サービスにて承ることが可能です。

食品輸送は商品の到着遅延が販売機会の損失に直結していることから、1日も早いお届けが求められます。 現在、海上・航空輸送ともにスペースの安定供給が難しい状況ではございますが、発地となる海外法人では自社拠点ならではの特性を生かして、キャリアとの粘り強い交渉や別ルートの選定などお客様のご期待に添えるよう対応に注力しております。

また、日本側での輸入申請をスムーズに行うため、商品の出荷に先立って現地から日本に書類を送付し内容確認を行うなど、仕出地・仕向地の連携で綿密な準備を進められる点も強みです。

輸送上の注意

輸送時にはケアマークを貼る場合も

チョコレートは温度変化に敏感であるため、航空輸送においては発地・着地の空港で冷却施設に搬入するようBOOKING時に航空会社へ依頼いたします。 冬季であれば常温でも品質を維持できますが、商品によってはドライアイスを利用し保冷状態にて輸送を行う場合もございます。また海上輸送を行う際は、保冷装置がついたリーファーコンテナを利用し、赤道付近を航行している間もコンテナ内部の温度を-20℃~+20℃程度に保ちます。
(※温度帯はチョコレートの種類やお客様からの指定によります)

関西国際空港に到着したチョコレート

ハイレベルな輸入通関対応

日本に到着したチョコレートは、税関に申告を行い、輸入許可を受けなければ国内で流通させることはできません。税関から許可を受けるためには、先に検疫所に対し「食品衛生法」に基づいた届出を行う必要があります。

「食品衛生法」は人体への安全性を確保し、衛生上の問題発生を防止するための法律で、届出において海外で作られた食品が日本の「食品衛生法」に適合しているか確認を行っています。 安全性を確かめるため、作った場所はどこか?原材料はどんなものを使っているのか?作り方はどうか?など様々な情報が必要です。さらに、チョコレートそのものを抜き取り、検査を行うこともあります。

食品等輸入届出書(サンプル)

例えば、使われている添加物が日本で使用が認められたものなのか?アフラトキシンというカビ毒の発生がないか?など、安全性を確かめる検査を信頼のおける検査機関に依頼し実施します。検査機関の数も限られ、相当の日数を要するものもあります。 また、検査の対象や項目などは、日々国内に輸入される食品の違反状況などから変わる可能性もありますので、タイムリーに情報を確認しておく必要があります。

無事検査が終わり、検疫所による審査を経て、食品届出済証が発行されます。 この届出済証を今度は輸入申告の際に添付して税関へ提出し、食の安全が確認された旨を伝えています。

輸入申告の際にも注意が必要で、形状などのちょっとした違いで大きく関税率が変化するため、「チョコレートは最も分類の難しいアイテムだ!」と弊社内の通関士が力説するほどです。そのため輸入申告書の作成は、お客様からいただいた情報をもとに、細心の注意を払いながら慎重に対応しております。

いよいよ販売店へ

輸入許可後、チョコレートを空港上屋から速やかに搬出し、輸入者指定場所へ配送いたします。

その後輸入者様にて商品の検品、包装、和文での成分表示が貼付され、小売店に納品された後、店頭に並びます。(※検品等の付帯作業を当社にご依頼いただく場合もございます)

この度は、美味しいチョコレートを味わっている時には考える暇がない⁈ チョコレートの輸送方法や諸手続きについてご紹介して参りました。これまでご覧いただいた通り、チョコレートの輸入には、「安全性の確保」と風味を損なわないための「品質管理」が不可欠となります。
どの国からどんな形でお手元に届いたのかチョコレートの旅を想像しつつ、召し上がるチョコレートはまた違う楽しみ方もできるのではないでしょうか。

チョコレートをはじめとする食品輸送のお問合せは、経験豊富な当社へぜひご相談ください。