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【働くひと】貨物の輸出入手続きの専門家、通関士

お役立ち

2023.12.27

貿易には欠かすことのできない通関手続きには専門家である通関士が携ります。日新では、関東・関西の主要港湾や空港に通関部が配置されており、2014年から関東通関事業所東京事務所に勤務する通関士の木田さんに業務のお話しを伺いました。

 仕事の内容を教えてください

東京港で輸入される品物の通関業務を担当しています。仕事の流れは、お客様から頂いた書類を基に、輸入申告に必要な様々な書類の準備や情報の確認を行っています。業務の一例として、申告する輸入統計品目番号(HSコード)を決定したり、記載された価格を元に海上運賃やサーチャージ、保険料などの費用を確認し、申告金額を決定し税率や税額がいくらといった事柄を確認した上で、税関に輸入申告を行います。税関から許可を受けるまでが担当の範囲となります。

 通関申告の流れを教えてください

各々の書類間での数量や金額の誤りがないかどうかを確認をしていきます。これを対査確認と呼び、基本事項をチェックし相違がないかを見ます。この他に各々の金額を算出し、計算書を作成しています。

-実際の通関申告方法を教えてください

書類一式が完成すると、書類作成者は通関士に審査を依頼し、内容に相違がなければ保税地域への貨物の搬入を確認し、輸入申告に移ります。輸出入・港湾関連情報処理システムの「NACCS(ナックス)」を使って税関に申告します。このシステムに必要情報を入力・送信をすることで申告が完了となります。結果は3つの区分で判定されます。

区分1 簡易審査扱い
税関審査が省略され、申告して納税されたことが確認できれば直ちに許可となります。
区分2 書類審査扱い
税関側から求められた際に説明用の関連書類を提出し、内容に問題がなければ許可となります。税関審査の際、検査が必要と判断されれば、区分3となる場合があります。
区分3 検査扱い
税関検査が行われます。X線検査や、現物の一部を税関の検査場に持ち込む見本検査等を行います。必要な検査を受けなければ、輸入の許可を受けられません。

税関の審査が終了になったら輸入許可となり、許可書が発行され、貨物を国内に引き取れます。

-税関と直接のやり取りや出向くことはあるのでしょうか

ほぼシステム上で済ますことができます。書類を求められた場合にもシステム上で送付が可能です。しかし、日新の展示会輸送チーム等で用いられるカルネ申告では、オリジナル書類の提出の必要があるので、その場合は税関に出向きます。

 日々の業務で気を付けている事があれば教えてください

法律の条文ならではの言い回しに接することが多い仕事です。税関からの質問を正確に理解し意図を読み取り、その言葉のままでは理解がむずしい部分があれば内容に齟齬なく分かりやすく言い換えて必要な情報をお客様から入手します。税関の求めに対応できるようにチーム内で過去に税関から質問されたことをしっかり共有することも重要なことと考えています。

 やりがいやモチベーションに繋がる点を教えてください

  分厚い実行関税率表を確認する木田さん

法律や社会情勢に日々変化があるので常にアンテナを張って最新情報を入手することが重要です。最近では各国との経済連携協定が開始されたことにより、お客様に有益な情報をご提案する機会も増えました。より優位的な税率や条件で申告が可能になったお客様からお礼を言われたときに達成感とやりがいを感じます。また私は以前プラント部門で大型設備機械といった輸送の営業経験があり、それを活かせる場面も多いのでそんなときにはモチベーションに繋がります。

 通関士の資格取得について教えてください

国家資格である通関士の試験は年に一度実施されています。私は2014年度から試験を受け、4回目でようやく合格を勝ち取りました。最初の2回は異動直後で通関業務自体に不慣れということもあり、なかなか思い通りに勉強が進まず、残念な結果となりました。日々の業務を通じて学ぶことも多いのですが、試験となると別物なので、3回目の試験は市販の教材を用いて臨んだのですが、ケアレスミスのわずか1点足らずで不合格となってしまいました。そこで4回目は一念発起して、通信教育や模試を前年よりもたくさん受けました。試験に申告書作成という問題があるのですが、試験日までに1日1問、どんなに遅くなっても続けました。

資格取得は会社で強制されたわけではなく自発的に目指しましたが、より深く業務知識を得たことにより、自分で対応できる幅も間違いなく広がったと確信しています。大変でしたが、挑戦してよかったと思っています。

 最後に読者の皆さんに一言お願いします。

大切な商流の一角を担っているという意識を持って取り組んでおります。納期は物流会社にとって守るべきもの、それは通関部門でも同じです。商品情報の把握一つとってもリードタイムの縮小に繋がりますので、適正かつ迅速な通関を心掛けて日々努力していますので、ご協力をお願い致します。

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