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海上コンテナ【フラットラックコンテナ】

お役立ち

2022.05.13

海上輸送をご担当されているみなさまが日常的に取扱われているのは、以前本コラムでもご紹介させて頂いた20フィート・40フィートのドライコンテナではないでしょうか。 海上コンテナにはその他にも、積載する品物の大きさや重量により、様々なコンテナが存在しています。特殊コンテナとよばれる中から、今回は横浜重量物梱包センターでの積載作業の様子と合わせて、40フィートフラットラックコンテナをご紹介いたします。

壁も天井もないフラットラックコンテナ

通常のドライコンテナは、いわゆる鉄の箱。
積載できる品物の幅や高さは、最狭部となるドア口のサイズに制約されます。また、品物を積載する作業(バンニング)も、コンテナ内に入る小型のフォークリフトとなり、大型のフォークリフトを使用したとしても、その爪の⻑さが届く範囲に限定されます。
箱という形状である以上、それらの制約を受けてしまうのは避けて通れません。
こうした制約をクリアできるのがフラットラックコンテナ。両端に壁はありますが、その名の通り、平らな板状のコンテナで、側壁も天井もありません。

 

なにも積載していない状態の外寸は、通常の40フィートコンテナと同様になりますので、40フィートのシャーシや荷役機材を用いた輸送や40フィートのフラットラックコンテナです。作業を行うことが可能です。また壁面や天井がないことで、荷役や機材も制約を受けずに作業を行えます。

長さ 高さ 総重量 自重 最大積載重量
外寸 12,208㎜ 2,438㎜ 2,591㎜ 52,500㎏ 5,130㎏ 47,300㎏
内寸 12,108㎜ 2,230㎜ 1,950㎜

重量品の積載を考慮して、ドライコンテナと比較して床面が非常に強化された構造となっており、その厚さは約600㎜程になります。(コンテナの製造メーカーにより、内寸や重量といったスペックは多少前後いたします)また、最大積載重量もドライコンテナと比べると大きな数字となっていますが、実際には各所の荷役機械の性能や交通法規により制約を受けますので、注意が必要です。

 

フラットコンテナの各部を見てみましょう

床面には厚い木製の平角材が並べられています。品物を固定するラッシング材は、この床面に打ち付けて固定します。また側面には支柱が立てられる穴とポケットが設置されています。実際に支柱を立てて運用される例は少ないですが、ラッシングベルトの固縛には、こうした部分を用いてガッチリと固定される、欠かせない重要な部分となります。

豆知識❶

車両のフラットコンテナ積載例

通常のドライコンテナと異なり、特殊コンテナの在庫は限定的です。船社や港湾により事情が異なりますので、事前のお問い合わせが必須となります。

 

 

豆知識❷

コンテナターミナル両端の壁は折りたたむことが出来る構造になっており、コンテナヤード内で留置する際等に用いられています。

 

 

 

ラッシング終了後のコンテナ

 

フラットラックコンテナへの積載作業

特殊コンテナへの積載(バンニング)光景になります。船会社のブッキング時に品物の詳細や幅方向のはみ出し(OW/OVER WIDTH)、高さ方向のはみ出し(OH/OVER HEIGHT)を申告します。その際に細かな規定の確認や固縛方法や使用材料について指示をうけることがあります。コンテナ両端の壁は折りたたむことが出来る構造になっており、コンテナヤード内で留置する際等に用いられています。

その内容は各運行船社により異なりますので、弊社の現場では都度関係各所へ確認の上、規定に基づいた形で積載作業を進めます。

特に重量品の積載では、その重心位置に注意を払う必要があります。事前に経験豊富なスタッフが作成したバンニングプランに従い、メジャーを当てながら、ミリ単位での調整を行います。コンテナ周辺の各所にスタッフが張り付き、フォークリフトのオペレーターと息のあった積載作業が行われています。

コンテナへの積載が終わると、今度はコンテナ上で品物を固定するためのラッシング作業が行われます。コンテナ両端への壁との間には前後方向への動きを防止するため、角材での補強を入れ、ラッシングベルトにて強固に固定します。弊社横浜重量物梱包センターでは、専門スタッフが常駐していますので、複雑なラッシング作業も自社でスムースに対応可能です。
フラットラックコンテナに積載する際の注意点は多々ありますが、特に重要なのがコンテナ両端から30〜50cm(船社により異なります)はスペースを開けることが求められます。
これは
本船積載時に用いられるガントリークレーンのアタッチメントが品物に接触するのを避ける  
②本船の船倉内に設置された、規定位置にコンテナを誘導するためのレール(セルガイド)との接触を避ける
という重要なポイントになります。
積載・ラッシング作業が終わると、いよいよ運行船社のヤードへの搬入となりますが、ここにも通常のドライコンテナの取り扱いと異なるポイントがあります。まず一般公道を経由してヤードへ搬入する際は、道路交通法に抵触をしないか︖の確認を行います。必要に応じて低床トレーラーでの走行、特大貨物としての事前申請が必要になるケースなどがございます。またヤードへの搬入も本船の入出港に合わせたタイミングで指示を受ける等、通常と異なったオペレーションとなるので、注意が必要です。
幅や高さがはみ出ている以上、隣接した場所にはコンテナを積載することができません。
OH(オーバーハイ)であれば上1本、OW(オーバーワイド)であれば両脇の2本、FV(フルボイド)ではフラットラックコンテナを取り囲む5本のスペースが必要となります。

特殊コンテナの輸送には、通常と異なった手配内容が多く含まれ、品物の梱包や積載、ラッシング作業については専用の機材や資材や経験豊かなスタッフのオペレーションが必要となります。

関東地区では横浜重量物梱包センターや本牧C‐3上屋を中心として作業を承っております。また、豊富なグローバルネットワークを活かし、各運行船社との調整・スペース確保はもちろん、外地での配送や据え付け作業までの一貫した輸送が可能です。特殊コンテナを用いたオーバーサイズの品物、重量品の輸送は日新にお任せ下さい︕

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