京都ビーフ雅とは…
京都ビーフについてご紹介する前に、和牛について簡単にご説明いたします。
和牛は、1944年(昭和19年)に、日本の和牛として認定され、以下の4種のみが和牛と定義されております。
黒毛和種 | 日本全国で飼育される和牛170万頭(約98%)を占める 肉質は脂肪交雑の面で優れている (松阪牛・神戸牛・米沢牛・近江牛といったブランド銘柄の和牛はこの種) |
毛色は黒の単色で角・ひずめなども黒い |
褐毛和種 | 熊本県と高知県の赤牛を基礎に外国種を交配し改良を加えた品種 黒毛和種に次いで多く、日本国内の割合は5%程度 肉質は黒毛和種に近く、赤身が多く脂が少ない (熊本あか牛、土佐あかうし・土佐和牛はこの種) |
毛色は高知系の種が黄褐色、熊本系の種が赤褐色 |
日本短角和種 | 東北地方北部原産の南部牛を基礎に外国種を交配させ改良を加えた品種 青森県・岩手県・秋田県の北東北地方が主産地 肉質は赤身が多く柔らかい |
毛色は濃褐色 |
無角和種 | 山口県の在来の和牛に外国種を交配させ改良した品種 山口県が主産地で非常に少数の品種 肉質は赤身が多め |
毛色は黒 |
決まった品種に限定されている和牛に対し、品種や生まれた土地を問わず日本国内で飼育された期間がもっとも長い牛を国産牛といいます。
外国でうまれた牛を日本へ輸入し、日本で飼育するとその牛は国産牛として出荷が可能となります。
さて、京都ビーフですが、「KYOTO BEEF雅」は、輸出向けのブランド名です。
京都ビーフは、黒毛和牛(黒毛和種)であること、京都府内で最も長く飼育されていること、「京のこだわり畜産物生産農場」で生産されたものであること、牛肉輸出認定施設で食肉加工されていること、日本食肉格付協会の枝肉格付が最高ランクのA5、B5およびA4、B4規格であること。としっかり定義されております。
ところで、海外へ日本のブランド牛として「WAGYU」と表記せず、「KYOTO BEEF」や「KOBE BEEF」のように輸出向けブランド名が適用されてているのでしょうか。実は、日本よりも早く「WAGYU」という登録商標をオーストラリアが取得してしまったためWAGYUと表記できないというのが理由のようです。
食肉の輸出条件
海外からの人気も高い和牛ですが、すべての国に対して輸出できるわけではありません。和牛に限らず「食肉」に分類されるものは、輸出先国と日本との二国間で協議され、条件を確立した国に対してのみ輸出が可能となります。
輸出条件は国によって様々なため、まずは輸出の受け入れが可能かどうか確認を行います。
輸出可能な地域および輸出条件については、動物検疫所のホームページよりご確認いただけます。
お肉のカット日から始まる航空輸出の流れ
京都府亀岡市の牧場で丁寧に生育された黒毛和牛は、動物検疫の認証を受けた食肉加工場(食肉取扱施設)で加工されます。 各部位に切り分けられた食肉は真空パックで包装され、カートンに納められます。
カートンに納められた商品は輸出者様手配で空港内の倉庫に搬入されます。
和牛を最適なタイミングで輸出先国へお届けするためお客様よりご依頼いただく現地到着希望日に照準を合わせます。
国際物流に携わっている方がカット日ときくと、貨物搬入の締め切り日を想像しがちですが、ここでいうカット日は、食肉加工場でお肉を部位ごとにカットする日となります。
そのため、当社ではお肉のカット日を基準に約3週間前よりフライトスケジュールの確認、スペース確保、輸出通関、動物検疫の調整を行います。
また、お肉をカットすると食肉加工場についても、輸出先の国ごとに認定施設が異なるため注意が必要となります。
輸出先を考慮した動検対応
和牛の輸出に際しては次の書類が必要となります。
①インボイス、②パッキングリスト、③原産地証明書、④部位明細書、⑤衛生証明書、⑥AIR WAYBILL、⑦輸出検疫証明書
輸出検疫証明書は、いわゆる動物検疫の許可証となり、①~⑤書類の他にEU諸国ではEUフォームとよばれる特別な書類が必要となります。
EUの中でもフランスでは、輸入フォームへ英語とフランス語を併記する必要があったり、イスラム教徒向けにハラル食材の需要があるマレーシアやオーストラリア等では、ハラル牛を証明する書類(お祈り証明)を求められるなど、国によって様々です。フォームや記載すべき内容が急遽変更となる場合も多々あるため、検疫所に仕向国を伝え、最新情報を入手することは欠かせません。
また、現地での輸入検疫への対応も必要となるため、輸出者様に事前に現地への確認をお願いするなど、綿密な書類準備を行っております。
徹底した温度管理
ヨーロッパ等の遠隔地への輸送で時間のかかる際に重要となるのが、温度管理です。
出荷元である日本の気温はもとより、仕向け地の気温や物量を合わせ、過去のデータをもとに蓄冷材の量を決定します。 遠方の場合、経由地の気温なども考慮する必要があります。
香港やマカオ、シンガポール等近隣の国へは、カートン梱包やカートンをパレットに載せたパレタイズ梱包、ヨーロッパを中心とした到着に2~3日にかかる国へは強化段ボールにドライアイスまたは蓄冷材を入れた梱包を行い、鮮度を保持した輸出を行っております。
コロナが明けたら行きたい国としても上位にあげられる日本。RCEPもはじまり益々日本食材の輸出に世界が注目するのではないでしょうか。
和牛をはじめとした日本ならではの食材を、世界へ新鮮かつスピーディーに届けたい荷主様のサポートをいたしますので、航空輸出をお考えの際はぜひ一度、当社担当者へご相談ください。