アメリカンチェリーとは
その名の通りアメリカで生産・輸入されているチェリーを指します。
ビング、レーニアが代表的な品種で、国産のさくらんぼと比較すると大きな果実と濃厚な甘みや酸味を持つことが特徴です。
現在、日本の輸入チェリーの9割以上がアメリカから輸入されており、輸入チェリー=アメリカンチェリーと言っても過言ではありません。世界第二位の生産量を誇り、主な生産地は西海岸に位置するカルフォルニア・オレゴン・ワシントンの各州で、春から夏に掛けて旬を迎えます。暖かいカルフォルニアでの収穫が始まり、季節の移り変わりとともに産地も北上して行きます。
チェリー輸出のプロフェッショナル・チーム
米国日新には、食品の輸出入を専門で行うFCD(=Food Commodity Dept.)があり、その中から5名を選抜しチェリーチームを結成。チェリーの出荷(輸出)ピークを迎える4月~7月まで、各業務に専属で対応します。
単に既存の事務所から遠隔で対応するのではなく、出荷元になるパッキング・ハウスと呼ばれる集荷や輸出用の処理・梱包が行われる冷蔵倉庫がある拠点に移動式トレーラーの事務所を持ち込み、文字通り生産者に寄り添った対応を行っております。頻繁に産地の状況やマーケット情報を生産者と交換することで、常に一歩先の情報を入手してタイムリーな対応に繋げています。
前述の通り、季節が進み生産地が北上すると同時に、チェリーチームもそれに合わせて北上、7月にワシントン州の出荷が終わるまで移動は続きます。
チェリーの輸出のプロセスとは
大規模な農園で生産されるチェリー。 その収穫作業は一部では機械化されておりますが、ダメージを避けるため一つずつ手積みが主体です。
鮮度が落ちやすいため、収穫からわずかの時間で農園からパッキング・ハウスに移されたチェリーは、輸出先の規定に沿った事前処理が行われます。
具体的には冷水での洗浄やくん蒸が行われた後、サイズを分別され梱包を行い、貯蔵に最適とされる0~2℃に調節された保管庫の中で冷やし込みが行われます。
この際米国日新では、チェリーの輸出業務に精通したスタッフが各国の規制に合わせたラベルがきちんと貼られているか、食品の表記に誤りがないかを確認。また日本人ならではの視点で外装のダメージの有無についても確認を行います。例えラベル1枚であっても、それが持つ重要性を理解し作業に携わることがミスを減らし、スムーズな手配を完結する一つとなります。
カルフォルニア州北部からの出荷については、アジア各地への路線が多く乗り入れるサンフランシスコ国際空港が最寄りの拠点空港となります。パッキング・ハウスと空港の間は出荷対応期間中、53フィートの専用冷蔵トレーラーでの輸送が行われます。フライトに合わせてトレーラーを走らせることで、極力待機時間を減らし、スムーズな航空輸送への接続を実現しています。
天候に合わせた輸出業務
各国のバイヤーから送り主(SHIPPER)となる農園や商社に対して注文が届き、出荷計画に基づいたパレタイズ作業が行われます。
100C/T弱を1P/Lに積載、注文量に応じて調整を行っております。荷主側からの出荷予定を事前に共有をしながらある程度の出荷数を予測、航空会社に対してスペースを確保するという、目の前の作業以外でも同時並行でいくつかの業務を行う必要があります。
予定していた収穫・出荷作業が天候により左右されることもあり、想定出荷量に届かない状況も発生したり、反対に予想を上回る物量のオーダーが入ることもあります。天気予報へにらみを利かせながら航空会社への事前調整を行うのもチェリーチームの腕のなせる業です。航空機のスペースについても、日頃より各航空会社とうまく関係性を築けていることが幸いし、顧客のニーズに沿ったスペース確保が可能です。
2010年頃までチェリーの輸出先の大半は日本・韓国でしたが、近年ではタイやベトナムの富裕層向けとして東南アジアへの輸出も増加しております。
こうした米国内での手配や航空輸送、目的地での一時保管・配送まで含めた一貫輸送の他、各所の農園からスムーズな対応力を認められて、米国内での出荷作業を受注するなど、新たなステージへ広がりを見せています。
米国日新の対応力
米国へ進出している日系企業へのケアはもちろんのこと、米国ローカルの特産品の取り扱いにも、経験や知識が豊富なスタッフが常駐し、対応に当たっています。
特に食品の輸出入については各々の国の規制や輸出条件が異なる事情を調査し、鮮度を落とさず輸送するという両面を成り立たせる必要があります。
各国に広がる日新ネットワークを生かしつつ、米国内の事情に合わせた物流を構築したチェリーチームを持つ米国日新。
食品のみならず機械や自動車部品、雑貨という分野でも同様の対応力で、お客様の物流に最適なソリューションをご提案いたします。