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海上コンテナ 【40フィートコンテナ】

お役立ち

2022.05.06

現在、日本国内で一般的に運用されているドライコンテナは3種類存在します。20fドライコンテナと、その2倍の長さになる40fドライコンテナですが40fコンテナは、高さの違う2種類で運用されており、一つは20fコンテナと同じ高さの8フィート6インチ(ハチロクバン)、もう一つが高さ9フィート6インチ(クンロクバン)ある、通常より1フィート(約30㎝)背が高いハイキューブと呼ばれるコンテナになります。

コンテナサイズを比較してみよう

今回は皆様のご利用の機会も多く、高さが特徴的な40fハイキューブドライコンテナについてご案内したいと思います。前回と同様に中国・東南アジア航路でおなじみのSITCの営業窓口を担う船舶代理店室と横浜港・本牧C-3上屋の協力を得て、ご利用いただいている40fハイキューブドライコンテナをじっくりと観察してみました。20フィートコンテナの記事と合わせると、双方の比較対照ができると思いますのでご参照下さい。➡20fコンテナのページ

40fハイキューブコンテナをじっくり見てみよう

従来のコンテナの高さは外寸が8フィート6インチでしたが、軽くてかさの張る貨物を少しでも多く積みたいというお客様のニーズに応えて、誕生したハイキューブコンテナ。

現在日本で一般的に運用されているハイキューブコンテナは、40fのみとなります。今回現場に用意されたコンテナは、SITC社のスカイブルーに塗られたものです。側面には大きく「SITC」と書かれており、一見すると同社所有のコンテナに見えます。しかしよくみてみると、灯台のマークが特徴のBEACON社のマークも貼られ、コンテナナンバーはBEACON社所有を示す「BMOU」と表記がありますので、「BEACON社がSITC社にリースしているコンテナ」ということになります。

40f ハイキューブコンテナには何キロまで積めるのか︖

20fコンテナと同様に、日本の関係法令により定められた規制を受けます。
40fの場合は、
3 軸シャーシ使用時︓
30,480kgs まで
2 軸シャーシ使用時︓
24,000kgs まで
今回のコンテナのスペックを基に積載出来る重量を計算してみると、以下の通りとなります。
*コンテナにより自重が異なるケースがございますので、ご注意下さい。
3 軸シャーシ使用時︓
30,480kgs-3,850kgs(自重)=26,630kgs
2 軸シャーシ使用時︓
24,000kgs-3,850kgs(自重)=20,150kg

3軸シャーシ使用例

コンテナに書かれている表記の意味は

20fコンテナと同様に、ドアにはコンテナの各種スペックが表示されています。コンテナサイズが大きくなるので、前回配信の記事でご案内した数字とは変わってきます。重複する部分もございますが、改めて個々の標記に関するご説明をさせて頂きます。
①コンテナナンバー
BMO

所有者を示すアルファベット3文字

U ユニット(UNIT)の頭文字
651109

所有者が個々のコンテナに与えた6桁の数字

9⃣

チェックディジットコンピューター確認用の数字(四角で囲んで表記する)

②構造区分コード
ISO6346で規定された4桁の数字・アルファベットで示されるコンテナの構造を示す番号で、これを読み取ることでサイズや構造を知ることができます。  ※グースネックトンネル︓コンテナ裏側にある、シャーシ突起部がある窪み

前2桁(45)
⻑さ40フィート、高さ2,591mm/グースネックトンネルあり
後2桁(G1) 上部に簡易通風孔付き、片妻または両妻開き


③総重量(荷重+自重/空コンテナ重量)
④自重/空コンテナの重量
⑤最大積載重量
⑥総容量
⑦SUPER HEAVYの表記
重量品の積載を考慮して、床面の構造を強化したコンテナであるこを示す、⻩色い三角形の標記になります。

⑧SCプレート(拡大写真)
「安全なコンテナに関する国際条約」に基づき各種検査を実施し、船級協会に認証されたコンテナに与えられる安全認証板で、通常左側のドア下部に取り付けられています。原則、港湾荷役や海上輸送に用いられるコンテナは、この認証を受け、プレートが付けられます。製造から5年以上経過したコンテナは、2年半に一度検査を行う必要がございます。

 

⑨背高コンテナの注意書き
高さが9’6”(9フィート6インチ)あることの注意喚起を促す表示がコンテナの4つの側面に表示されています。またコンテナ上部に警戒色(トラ柄のテープ)を掲示します。

 

⑩簡易通風口 

縦⻑の四角い部品が簡易通風孔になります。コンテナの製造所やロットによっても異なりますが、通常片面に1ヶ所、1コンテナで2ヶ所に設けられています。

⑪iCコード 

コンテナを鉄道輸送する場合、UIC(国際鉄道連合)の認証が必要となり、認証済みのコンテナには、この表記が見られます。iCはInternational Containerを示し、下の数字は認証した鉄道会社・機構名を示します。83はイタリア国鉄となります。

 

40fハイキューブコンテの内部はどうなっているのか︖

コンテナ内部の幅は232cm、⻑さは1,201cmでした。(ドアを閉めて計測した数字です)標準的な110cm×110パレットが幅方向に2枚、⻑さ方向には10枚、合計20枚並べることができます。当然のことながら、20fの倍のパレットを並べることが可能です。コンテナには個体差があり、また梱包の仕上がり寸法の誤差もございますので、上記内寸の数値から多少の余裕を差し引いた積載プランを考慮する必要があります。ハイキューブコンテナの一番の特徴であるコンテナ内の高さを測定してみると、267cmありました。
前回計測した20fコンテナに比べて、約30cm背が高いことになります。ドア口と最奥部は一部低くなっており、ドア口で258cm、最奥部の金具部分では259cmという結果でした。ハイキューブコンテナの特性を生かし背高の品物を積載する機会も多いのですが、このドア口の寸法を前提に検討しないと、品物が入らない︕といったトラブルになりますので、注意が必要です。
内部には20fコンテナと同様、床面と天井部分にU字のフックが付いています。このフックは、航海中の揺れによってコンテナ内で貨物が動いたり、転倒を防止するための重要な部材です。フックにベルトを通して固定するラッシングや、木材を当てて固定するショアリングのため、今回のコンテナには両側面上下合わせて約1.1m程度の間隔で40個のフックが付いていましたが、これもコンテナの個体差により若干数が異なる場合があります。

コンテナは案外壊れやすい?

鉄の箱だから頑丈と思われる方も多いと思いますが、設計上頑丈に作られている部分は、四隅の柱と全⻑に渡るフレームになります。この部分に関しては、単に荷物の重さが掛かるのみならず、最大9段積みの最下段の荷重に耐えられる強度があり、本船積載時にも十分な強度を持つように設計されています。側面や天井は波状にプレスされた鋼板で構成されていますが、その厚さは2mm。重量品やフォークリフトの爪が当たると変形、時には穴が開いてしまうこともあるほどです。床材は、約30cm間隔の横梁(クロスメンバー)の上に、厚さ28mmの合板が貼られています。重量品が積載され、一点に荷重が掛かってしまうと床板や横梁に変形や損傷が起きる可能性がありますので、各船会社が規定している荷重分散の方法に則り、ダンネージ材(敷材・枕木)の使用が必要となります。

コンテナ寿命は︖︖

コンテナの寿命は航路や使用頻度にも左右されますが7年ほど。傷みがよく見られるのが床面で、引っ搔いたような傷や、機械類から滲んだと思われる油染みなどが見られるケースがあります。このようなケースでは現地に到着後に修理や清掃費用を請求されるケースもありますので、事前に船会社に相談する、また現地到着後の清掃を徹底するなどの対策が必要です。

 

日新では、お品物の形状や特性などを考慮し、世界各国の仕向け地へ、多種多様なコンテナを用いた輸送プランを提案いたします。過去に取り扱った実績のない品物だけどどうしよう…︖ドライコンテナに入らないサイズはどうしたらいいだろう︖そんな海上輸送の困ったを日新にご相談ください

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